非薬物療法の種類と特徴

病気や障害の治療というと薬を使うイメージを持たれがちですが、時代の移り変わりの中で注目されているのが非薬物療法です。
非薬物療法とは文字通り薬を使わずに改善を促していく治療方法になります。

いくつかある非薬物療法の代表的な物として挙げられるのが運動療法です。
理学療法士が行うリハビリは体を動かすことで身体的負担の軽減、機能の回復を目指していきます。
運動は生活習慣病の予防だけでなく認知症の発症を抑える、進行を遅らせる効果も期待できるので積極的に取り入れている介護施設も少なくありません。

運動療法と並ぶ効果的な非薬物療法が心理療法です。
要介護者で患っている人も多いと言われる認知症は心のケアも重要になります。
記憶障害によって起きる不安は精神的なストレスに繋がり症状が悪化すると徘徊などの問題行動を引き起こすケースも少なくありません。
昔の楽しかった記憶を思い出す回想法、相手の気持ちを尊重するバリデーションなどを利用して心の安定を図ります。
介護士は要介護者の性格や考え方を理解して適切に対処する能力を身に付けなくてはいけません。

そのほか、デイサービスなど要介護者が集まる施設で取り入れられているのが音楽療法です。
音楽療法はただ聴くだけでなく実際に演奏や歌唱を行いながらコミュニケーションを取る治療法になります。
人前での歌唱や演奏に抵抗がある場合は曲に合わせて体操をするなど、柔軟に対応を変えて行けるのも音楽療法ならではの特徴の一つです。